たむ散歩 第3章 じゃぱんつあー

令和元年6月 アジアから帰ってきた刺青だらけの元キャバクラ店長が、友達からもらった一万円札を握りしめ、ヒッチハイクオンリー『日本全国47都道府県お手伝いの旅』に出る。『日本だし、言葉通じるし、一万円ありゃなんとかなるっしょ』そう言い残し、バカは歩いて自宅を飛び出した。

川沿いにテントを張ると野犬の群れに包囲されます。岩手編。

 

 

どうも、岩手県盛岡駅近くの川沿い(橋の下)にテントを張って本格ホームレスデビューを果たし、得意げにテントで寝ているところを野犬3匹に包囲された者です。

 

明け方に何者かがテントの周りをパタパタと走り回っている気配を感じ、

また小学生か?盛岡市民は川辺を通って通学するのか。ふう、ま、いいでしょう。

 

仙台では不覚にもビビってしまった僕ですが、学習機能は脳内にしっかりと根付いております。

 

ちいとかましてやらねばと思い、

 

 

バッ!!!

 

1

と東京で約10年過ごしたシティーボーイだからこそできるスマートな登場で、颯爽とテントの外に飛び出すとそこにいたのは小学校低学年サイズの野犬3匹。

 

野犬と目が合い、【時が止まる】とはこういうことなんだと感じました。

 

 

ワンッ!!!

 

 

うわぁぁぁぁ!!!

 

 

腰を抜かし、慌ててテント内に引っ込みジッパーを下ろしテントを密封します。

 

インドで野犬に起こしてもらった思い出が頭をよぎります。

 

その後もたっぷり30分、僕を捕食せんとパタパタしながら唸り声をあげたのちどこかへ去って行きました。

 

サバンナの自然保護公園で野宿した人の気持ちがわかったような気がします。

 

 

 

そんなわけで岩手王国サバイバル編でございます。

 

 

5日目。

 

Kさんに大船渡まで送ってきていただき、岩手編がスタートしました。


f:id:xxxtm3xxx:20190609135625p:plain

 

Sのお友達がいるらしく(僕の話を聞いてインスタで拡散してくれました)なにかしらの奇跡的な遭遇を願って降り立ちました。

 

この街で特に何をするわけでもないので、とりあえずヒッチハイクで次の街を目指すため、幹線道路へ。

 

目指すは海沿いの街【釜石

 

岩手県民よ頼みます。

 

 

〜4時間後〜

 

 

誰も乗せてくれません。

 

死にそうです。肩はもちろん亜脱臼寸前。

 

お空を見れば『はーい、今から雨降らせまーす』的な感じでギブアップ目前。

 

とりあえず大きな道路を目指し歩くこと30分。

 

スーパーで怒りの缶チューハイをしばきあげます。

 

近くに河畔公園があるので、雨の降らないうちにその公園へ行って野営の準備をする安全策をとるか、それとも雨に降られて死ぬ可能性はあれど一縷の望みに託してICへ直結する道へ向かうか。

 

答えは前に進むしかないでしょう。

 

だいたいこういう時はリスクを取って前に進んだモンが勝つと相場は決まっているのですよ。おわかり?

 

アルコールの力で正常な判断ができなくなった前頭葉爆発系男子の僕は、たまに見せる死にたがりの癖で雷が鳴り始めた道を歩き始めました。



f:id:xxxtm3xxx:20190609135801j:plain

 

 

〜20分後〜

 

 

雨に降られることなく国道がクロスする交差点のローソンにたどり着きました。

 

さらに僕はボードの行き先を110km先の盛岡シティーに書き換え。

 

『オレは、このデュエルに賭けるっっ』

 

悲しみの物語が始まる準備が順調に整って行きます。

 

 

ま、なんとかなるでしょう

 

 

死にたがっています。安らかな眠りを希望しているのです。

 

 

よーしやるでー

 

 

と意気揚々とボードを掲げた始めたその瞬間。

 

 

?『盛岡ですかー?乗せて行きますよー

 

僕『あざぁぷりぃぃっしゃぁぁああぁああぁす!!

 

 

 

 

おわかりいただけただろうか?

 

こういう時はリスクを取って前に進もうとしたやつが勝つと自然界の法則でもって決まっているのですよ。

 

ビビって安全策をとるやつに輝く未来は訪れないということですよ。

 

おわかり?

 

ま、全ては見知らぬ優しい誰かの力なんですけどね。あざす。

 

 

というわけで、死にたがりの命を救ってくれた12台目Dさん。

 

歳もひとつ違いでもともとは横浜出身ということもあり、盛り上がった道中でした。

 

本当にありがとうございました^^

 

 

 

前に進んだことにより、圧倒的勝利を収めた僕は、岩手県の県庁所在地である盛岡市に到着しました。



f:id:xxxtm3xxx:20190609140026p:plain


 

盛岡駅が輝いて見えます。

 

さて、とりあえず風呂だ。風呂に入ろう。

 

道行く人に近くの銭湯の場所を教えてもらい安らかなるバスタイム

 

店主がとてもいい人で帰りにジュースを持たせてくれました。あざす。


f:id:xxxtm3xxx:20190609140121j:plain

 

ルンルン気分でボードをフリフリしながら通りを歩いていると今度はおばさまにオニギリとつくね5本をいただきました。

 

死ぬほど美味かったです。

 

ここが食戟のソーマの世界だっt...

 

 

あざす^^

 

 

 

そんなこんなフラフラしながら寝場所を橋の下に定め、砂利道の上にテントを立て眠りにつくのでした。

 

 f:id:xxxtm3xxx:20190609140155j:plain

 

6日目。

 

冒頭のストーリーで1日が幕を開けます。

 

この日は1日盛岡に留まりお手伝いを実行する日。

 

カバンとボードを掲げ盛岡駅前に居座ります。


f:id:xxxtm3xxx:20190609140227j:plain

 

 

〜3時間後〜

 

 

話しかけてくれるのは小学生と杖をついたお年寄りだけ。

 

警戒心が海抜50mを超えているのでしょう。まったくシャイなんだから。

 

 

完全に飽きて地図を眺めていると近くに盛岡城跡の公園があるらしかったので、本日の寝床の下見も兼ねて歩いて向かいます。

 

途中お寺詣りをしたところでコーヒーをいただきました。あざす。

 

 

公園内をフラつき不審者に向けられる視線を楽しんだのち、もう一度駅前に戻ってみます。

 

薄暗くなった駅前で、『僕は花壇に咲いたチューリップ、僕は花壇に咲いたチューリップ、僕h』と自己暗示をかけていると声をかけられました。

 

 

話を聞くと仕事帰りでこれから秋田に帰るところだとのこと。

 

色々とお話しさせていただいて帰り際には野菜ジュースとハンバーガーとタバコまで頂きました。ありがとうございました^^

 

 

そして、見送った5秒後。

 

今度は知らないオジさんに話しかけられました。

 

話を聞くとまっっっっっったく何を言っているかが理解できません。

 

方言とかそんなんじゃなく違うところが原因だと思います。

 

すこーしだけ英語が分かる状態で海外に行って、何言ってるかはあんまりわからないんだけど所々の単語だけ理解できる。そんな感じです。

 

とりあえず理解できたのは、

 

・現役の消防士

・ある教えを信じることで病気が治った

・タクシー代出すから隣の駅の勉強会をしている会館に来て欲しい

・5分、10分お経を唱えるだけでいい

・来てくれたらご飯代をくれる

・信者を増やすと僕にとってもご利益がある

・これも”お手伝い“だと思って手伝って欲しい

・君(ぼく)は強くてタフな男だ

・うん、宗教の勧誘だね

 

というわけで面白そうだったのでホイホイ着いて行きました。

 

本人も手伝ってって言っているし、お手伝いにカウントしてもかまわないだろう。

 

行きのタクシーの中でオジさんが何かについて高速で話していましたが御多分に漏れず何言ってるか全くわかりませんでした。

 

冗談抜きで怒られそうなので団体名は控えますが、到着した会館は立派な建物でした。

 



なかに入ると意外にも女性の方が多く和やかな雰囲気。

 

待っている間に一緒に来たオジさんに軽く説明を受け部屋に通されます。

 

一番前で座っていると、おばさんが入ってきて仏壇の前に座り仏壇に向かってなにかを唱え始めました。

 

まさか悪魔の降臨術の為の生贄として連れてこられた!?

 

わけもなく、渡された冊子を見ながら仏壇に掲げられた位牌に向かってお経らしきそれを唱えます。

 

 

 

〜15分後〜

 

 

15分が経ちました。

 

聞いていた話と違います。

 

真横にいるオジさんを睨むと真剣そのものです。

 

邪魔したらポアされそうなので黙ってお経を唱え続けます。

 

 

〜さらに10分後〜

 

 

やっと終わりました。

 

脚が僕のものではなくなっています。

 

脚を崩そうとすると『もう少しで終わるから』と言われ渋々従います。

 

すると仏壇に向かってせっせとお祈りをしていたオバちゃんがこっちを向き

 

それでは本日入信されました、きむら な◯と様の入信の儀を代表◯◯に変わって執り行います。

 

 

おおおおお。

 

っていうかいつのまに入信したのかオレは。

 

(名前は地元の友達の名前を借りましたテヘペロ)

 

 

お尻を掻いているうちに入信の儀が終わり解放されました。

 

タクシーでの帰り道に『これ少ないけど』と1500円をいただきました。あざす。

 


f:id:xxxtm3xxx:20190609140321p:plain


 

盛岡駅で別れ1500円もらえた嬉しさでスキップしながら商店街の方に向かうと、今度は後ろから声をかけられました。

 

僕のバッグについている【所持金一万円で日本一周中】を見て声をかけてくださったそう。

お弁当とコールスローをくださいました。

 

なんだ確変中か。

 

3連チャンで色々な人になにかをいただいています。

 

あとで食べたら腰抜かすほど美味しかったです。ありがとうございました^^

 

f:id:xxxtm3xxx:20190609140353j:plain



 

そんなこんなで夕方に行った公園のいい感じの場所にテントを張り就寝。

 

おもしろい1日だった。



f:id:xxxtm3xxx:20190609140419j:plain

 

 

7日目。

 

本日は誰にも囲まれることなく平和な寝起き。

 

岩手を脱出しようと歩き始めます。いざ青森。

 

途中、コインランドリーに寄ってから3km先のIC付近へ。

 

 

IC前にローソンがあったので、その手前に陣取り八戸へ向けヒッチハイク開始。


f:id:xxxtm3xxx:20190609140512j:plain

 


長渕剛は「とんぼ」を口ずさみご機嫌です。

 

 

 

〜4時間後〜

 

 

 

「八戸ナンバーよ〜!ど〜こ〜へ〜!」

 

 

まじでつかまりません。

 

岩手でのヒッチハイク時間が8時間を超えました。

 

お空もささやかなレイニーブルーを歌い始め、『まったくみんなシャイなんだから♡』とか悠長なこと言ってられる精神状態でもなくなってきました。

 

もういい。酒飲む』なかば諦めモードに入ったところで一台のアルファードが。

 

?『八戸〜?乗ってきな〜

 

僕『しゃいしゃいしゃー!!!

 

 

13台目Tさん。

一度見かけて戻ってきたらいなくなってて、もう一回戻ってきたところを乗せてくださいました。しかも行き先決まってないからどこでもいいよと。

 

優しさと男気の塊のアニキでした。Tさんありがとうございました^^

 

 

 

そして一行は青森県八戸市へ。

 

 

TSU★ZU★KU

 

 

★★★★★

 

【岩手】

 

▶︎移動

大船渡〜盛岡市

 

▶︎ヒッチハイク台数

1台

 

▶︎総移動距離

470km

 

▶︎お手伝い

⑤『宗教入信ノルマの頭数』

 

▶︎頂きもの

グレフルジュース

おにぎり

つくね×5

野菜ジュース

ハンバーガ

タバコ

コーヒー

1500円

弁当

コールスロー

 

 

★★★★★

 

 

 

 

 

ほいじゃ(` • ω •´ )

 

instagram

https://www.instagram.com/yh.tm


Twitter

http://twitter.com/@xxxtmxxx3


Facebook

https://www.facebook.com/youhei.tamura.3154